前頭側頭葉変性症・3 基本

意味記憶障害型認知症
側頭葉前下方部の限局性萎縮により、言語、相貌、物品などの意味そのものがわからなくなる特殊な病態を呈します。脳梗塞のように言葉が話せないのではなく、ありふれた物の名前や使い方がわからなくなったりします。文字の読み間違いも多くなります。
語義失語では語の理解障害は目立つが、自発語は流暢で、失文法はみられず、語性錯誤はみられても、音韻性錯誤は目立たない。
しかし診察場面で、
医師「利き手はどちらですか」と尋ねると
患者「ききてって何?」
と応じるように「利き手」と復唱は可能にもかかわらず、利き手の意味はわからない。障害は具体的な名詞で著しいが、動詞、形容詞、副詞、助詞などの操作は比較的保たれている。物品の呼称課題では検者が鉛筆を見せても命名できない。さらに「えんぴ」まで語頭音を与えても「ああ、あれえんぴですか」と答える(語頭音効果なし)さらに「えんぴつ」と聞いても既知感すら認めない。また指示課題ではいくつかの物品を提示し、「鉛筆はどれですか」と尋ねても鉛筆を指すことができない。しかし鉛筆を持つと字や絵を書こうとすることから物品としての意味は保たれているが、語義のみが選択的に欠落した状態であると考えられる。またことわざなど複雑な慣用句において、「犬も歩けば棒に」とヒントを与えて問うても次の句を続けることができない。(ことわざの補完現象)
読字では類音的錯誤が顕著で、海老を「かいろう」、団子を「だんし」などと読む。また書字では汽車を「寄車」、色気を「色毛」と書くなど類音的錯書がみられる場合もあるが、通常書こうとしない。一方仮名の読み書きはよく保たれている。
相貌に関しては家族や友人、有名人など熟知相貌の認知機能障害と主治医やリハビリスタッフなど新規学習障害が認められる症例も存在する。脳血管障害による相貌失認と異なり、声を聞いてもわからず、複数の感覚入力にわたって障害が認められる点が特徴である。

進行性失語型認知症
左シルヴィウス裂周囲の限局性の変性による進行性失語です。病変は前頭葉から頭頂側頭葉にまたがっており、進行性に非流暢性失語を呈する例の中には神経病理学的にADやCBDと診断される場合もあります。
話そうとする言葉がなめらかに発音できないといった症状で始まり、次第に言葉や文章の意味の理解が難しくなっていきます。ただし、記憶障害などの症状はあまり目立ちません。
[参考・引用書物]
●よくわかるアルツハイマー病-実際にかかわる人のためにー
●神経心理学コレクション
 ピック病(松下正明・田邊敬貴)/トーク認知症(小坂憲司・田邊敬貴)
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2012.11.13