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前頭側頭葉変性症の理解を深めよう!・3

単一疾患であるアルツハイマー病と異なり前頭側頭葉変性症(FTLD)には家族性、孤発性を含めて多くの疾患単位が属している。
このためにその臨床や病理像は多彩であり全体を把握することが困難な概念である。

前頭側頭型認知症(FTD)
●萎縮部位と3亜系
FTDの大脳萎縮は一般的に「前頭葉眼窩面から始まり、背外面へ広がり、後方に向かって側頭に及ぶ」とされている。しかしながら、FTDの萎縮の始まる部位にはバリエーションがある。3亜型の臨床特徴と対応する脳萎縮部位は以下の通りである。
1. 脱抑制型:前頭葉眼窩/内側面
落ち着きなし、無目的な過活動、冷淡で不関、認知障害よりも行動障害が目立つ
2. 無欲型:前頭葉背外側面
無気力、自発性、意欲の低下、無頓着、融通性なく保続的、早期に失禁あり
3. 常同型:線条体/側頭葉優位
紋切り型の言葉や行動、強迫的で儀式的傾向を示す
この3亜型の独特の行動パターンは前頭・側頭葉の病変分布を反映したものであるが厳密なものでないとされている。実際にこれらの臨床特徴は組み合わさって現れることが多いし、進行すると病変領域も広がっていくので初期の臨床特徴は目だ立たなくなる。
●3病理類型
1.前頭葉変性型(FLD type
2.Pick型(Pick type)
3.運動ニューロン疾患型(MND type)
※「専門医のための精神科臨床リュミエール12
  前頭側頭型認知症の臨床・責任編集池田 学」より引用
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