嫉妬妄想・2

【非薬物的介入】
A.介護者への介入
1. 病態説明:嫉妬妄想の発現機序について図を見せながら介護者に説明し、介護者の病態理解を進めるとともに、介護者からの治療協力への同意を得る
2. 配偶者の単独外出を減らす、もしくは単独で出かける場合はデイサービス中に行うなど、単独で外出していることを本人に知られないようにする。その際、介護者には妄想がおさまるまでの一時的な処置であることを伝えて納得してもらう。
3. 家庭内で認知症の方に役割を与える(家事への手伝い、デイサービスでの役割を増やすなど)
4. 認知症の方の身体機能維持を図る(デイケアや訪問リハビリなど)
5. 配偶者が認知症の方に弱みを見せる(例:腰が痛いといって本人にマッサージをしてもらうなど)
6. 認知症の方を尊重するような声かけを心がける(例:お父さんが手伝ってくれて助かる)
7. 不貞を責められた時の対応について(例:心配ないよ、大丈夫だよ、ずっと一緒だよ)
8. 配偶者以外の家族にも説明し、夫婦が孤立しないように関わりを増やしてもらう
9. アルコールを飲んでいる場合は中止させる
B.医療従事者の介入
1. 抗パーキンソン病薬を内服中の認知症の方は、処方内容を見直す(担当医師と相談しながら、
 可能な限り少量で、L-Dopaを中心とした処方内容に変更する)
2. せん妄を誘発する可能性のある薬剤(抗コリン薬、H2ブロッカー、ベンゾジアゼピン系の薬剤など)の中止、減量
C.福祉サービスの利用
1. デイサービスを導入もしくは回数を増やす

【薬物介入】
背景疾患がレビー小体型認知症かそれ以外かで対応方法が変わります
A.レビー小体型認知症の場合
1.第一選択薬
●コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、リバスチグミン)の開始、増量
●不眠を伴うもしくは夜間に激しい場合はクエチアピンを眠前に使用
2.症状に応じて以下の薬剤も併用する
●抑肝散:不安、興奮の改善を期待
●抗精神病薬(クエチアピン、アリピプラゾール、オランザピン、リスペリドンなど):
 錐体外路症状の悪化に留意しながら低用量で使用する。
●抗うつ薬:うつを伴う場合
3.薬剤で十分にコントロールできない時は認知症治療病棟での入院治療、施設入所を検討する

B.レビー小体型認知症以外の疾患の場合
1.第一選択薬
●抗精神病薬(クエチアピン、アリピプラゾール、オランザピン、リスペリドン)の開始
●コリンエステラーゼ阻害薬が興奮を助長していると考えられる場合は減量、中止
●不眠を伴う場合はクエチアピンを眠前に使用
2.症状に応じて以下の薬剤も併用する
●メマンチン:アルツハイマー病で興奮が強い時
●抑肝散:不安、興奮の改善を期待
3.薬剤で十分にコントロールできない時は認知症治療病棟での入院治療、施設入所を検討する
※平成 25 -26 年度 厚生労働科学研究費補助金 認知症対策総合研究事業
及び 平成 27 年度 日本医療研究開発機構(AMED)研究費 認知症研究開発事業
「BPSD の予防法と発現機序に基づいた治療法・対応法の開発研究」研究班
熊本大学院生命科研究部神経精神医学分野より引用
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