前頭側頭葉変性症における食行動異常ー2(続く)

図1は食行動評価尺度を用いて、bvFTDおよびSDに現れた食行動異常の頻度をADと比較したものである。食行動評価尺度は、FTLDの食行動異常を評価するために開発された。嚥下、食欲、嗜好、食習慣、他の食行動の5つ領域の計37の質問からなる尺度である。図に示すように食行動異常の出現頻度は、ADに比較するとbvFTDとSDにおいて明らかに高く、食欲の変化、嗜好の変化、食習慣の変化はFTLDに特徴的な症状といえる。そのうち食欲の変化はbvFTDで突出して高い。SDにおいても頻度の高い症状である。bvFTDとSDでは症状プロフィールがやや異なり、bvFTDでは過食と暴食が多かったのに対して、SDでは食物への執心が多いという報告がある。

●食行動評価尺度の質問表一例
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関連行動
最近1ヶ月以内の患者さんの様子について1から7まで頻度と重症度の数字それぞれに○をつけてください。
  頻度  重症度
01234 123

1 食べ物で口をあふれるほど一杯にする傾向がありますか?        
2 食べようとしないで、物(たとえば、鉛筆)をかんだり、吸ったりしていることがありますか?
3 食べ物ではない物や、一般的には食べない物を食べたことがありますか? 
4 手の届く範囲にある食べ物をひったくったり、つかむ傾向がありますか? 
5 以前よりタバコを吸う本数が増えたり、再び吸い始めたりしましたか?  
6 自然に嘔吐をしたことがありますか?                 
7 自分の口の中に指を入れて嘔吐をしたことがありますか?
   
上記いずれかに該当する場合は、その症状はいつ頃から始まりましたか?(            )


頻度:
0 ない
1 たまにー週に1回より少ない
2 ときどきー週に1回程度
3 しばしばー週に何度もあったが、毎日ではない
4 非常にしばしばー毎日1回以上あるいは、常に
重症度:
1 軽度ー変化はあるが、容易に修正可能であり、負担ではない
2 中等度ー変化は容易には思いとどまらせることができず、介護者にとっていくらかの困難を伴う変化である。
3 重度ー思いとどまらせることが困難な明らかな変化があり、言い争いやとまどいを生じている。


図1 前頭側頭葉変性症における食行動異常の頻度
 (アルツハイマー病との比較)
bvFTD食異常01
※「精神科臨床リュミエール12 前頭側頭型認知症の臨床(責任編集:池田 学)」
※「2016 Vol.27老年精神医学雑誌」2誌より引用しています


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