前頭側頭葉変性症における食行動異常ー1(続く)

正月はいつもよりテーブルに様々な料理が並ぶかもしれません。
口唇傾向や嚥下障害がある認知症を介護されている方には注意が必要です!
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これまで広く使われていたNearyらによる診断基準には、行動面の記述が曖昧であることや中核的診断特徴が5つも必要であり、融通性がないなどの欠点があることがしだいに明らかになってきました。さらに、疾患修飾的な治療の有効性が期待される、発症早期の患者に対する感度が低いとの報告も続いた。
これらの知見に基づきFTDC(欧米を中心とした協議会)が、2011年に新たな診断基準bvFTDを発表しました。FTDCの診断基準は従来の診断基準と比して感度が高いこと、得意度も良好であることが報告されています。

一例として
●食行動異常に関して新旧の診断基準の比較
(食行動異常はbvFTDでより重要視されています)
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NearyらによるFTDの診断基準(旧)
II. 支持的診断特徴
 A 行動異常
  4. 過食、口唇傾向と食行動変化
       
FTDCによるbvFTDの診断基準(新)
II. possible bvFTD
 E 口唇傾向と食行動変化(次の症状のうち1つが必須)
  E1 食嗜好の変化
  E2 過食、アルコールやタバコ消費の増加
  E3 口唇探索、または異食症

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●口唇傾向と食行動変化
飲食や食行動の変化はbvFTDでは一般に認められ、食嗜好の変化から非食物の口唇探索行動までの幅がある。食欲の亢進、甘い物や濃い味付けの料理への嗜好の変化、決まった食品や料理に対しての固執などが出現する。一般的には、初期には食欲の亢進や嗜好の変化が出現し、進行とともに食習慣が変化し、しだいに口唇傾向が目立ってくるという順序で変化していくことが多い。
1 食嗜好の変化
 炭水化物欲求傾向(特に甘味)、同じパターンの食事や独特の食物への嗜好などの偏食傾向。
2 過食、アルコールやタバコ消費の増加
 過剰な量の食物を摂取したり、一部の症例では満腹感があるにもかかわらず食べ続けてしまうこともある。喫煙やアルコール摂取を新たに始める、再会する、強迫的な使用をする場合もある。
3 口唇探索、または異食症
 極端な例では、口唇傾向は口唇探索、咀嚼、非食物の探索など、Klüver-Bucy症候群に通じる様相を呈することもある。
※食行動異常は他のFTLDの疾患とも重なる症状で、アルツハイマー病との鑑別には有用です。
(※2013 Vol.24 老年精神医学雑誌より引用しています)



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この記事へのコメント:

シマウマ : 2016/12/30 (金) 22:59:18

アルバの会さん、
こんばんは。

先日はコメントを頂きありがとうございました。
貼り絵カレンダー素敵ですね~
優子さんの笑顔も素敵です。

アルバの会が近かったらなぁ…
一度お邪魔してみたいと思いました。

来年も色々と教えてください。
お正月のお料理に注意します。
ちょっと珍しい物だと、口で確かめようとするので気を付けます。

アルバの会 : 2016/12/31 (土) 08:59:21

シマウマさんありがとうございます。
十数年前妻のアルツハイマー病の診断が正しいのか調べている時にピック病を知りました。認知症の勉強会に参加しているとAD以上に誤診も多いことも分かりました。現在は意味性を知る機会も増えましたが、それでも医師や専門職の方の無理解や敬遠もされる認知症です。介護されている貴重な体験が医師や専門職に蓄積され、今後の医療やケアに役立つことを願っています。
欧米語と違って日本語は漢字、カナ、ひらがな、文法の違い、表意と表音など複雑ですから語義失語も難しいですね。
介護家族の体験が一番です。相談会も行っていますので皆さん情報発信が役立っています。これからもよろしくお願いします。

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