全くアルツハイマー病の兆候がみられなかった40歳

40歳(1993年)の時、ポップアップ専門のデザイン会社を辞めてフリーになりました。最初の仕事が「しかけえほんを作ろう!」です。第1版発行は1993.8月発行で、印税契約(ロイヤリティ6%)です。発行者は大日本絵画です。今まで6万部ほど売れたようで、そろそろ絶版になるようです。全国の幼稚園や図書館にも買ってもらえたので部数が増えたようです。印税は私の事務所の運転資金に大部分使いましたが、とても助かりました。
この頃は全くアルツハイマー病の兆候はみられなかったと思いますが、軽いうつ病で近くの医院に通っていました。少しアルツハイマー病らしい異常(得意なポップアップ用の展開図や立体図が上手く描けなかった)を感じたのは48歳頃でした。後で分かったことですが記憶障害は43,44歳の頃からありました。15年ほど前に引っ越しをしていますが、その時にバーゲンで買った大量の靴下、ツナ缶、アルミホイル、サランラップ等が様々な場所から見つかりました。この頃がアルツハイマー病のMCIといわれる時期だったかもしれません。
しかけ絵本bl
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便失禁のない快適な目覚めだったのですが・・・

26日朝は便失禁のない笑顔のある快適な目覚めでした。今日は私が管理者をしているデイに行く日なので7時に起きました。着替えも済ませ朝食を食べ終わったのが8時30分頃でした。8時50分には出かけるので、優子さんは車椅子に座っていました。コーヒーを飲みながらTVを見ていたら嫌な臭いがしてきました。予感的中の便失禁、最近は毎日下剤を服用しているので泥状便です。とても拭ける量ではないので風呂場に直行してシャワーでキレイにしました。(こんな時ポリエチレンの使い捨て袖付きエプロンは便利です)全て終わり着替えて出かけるまで30分、だんだんと手際よくなりましたが時間のない時は疲れます。車椅子になって最初の頃は今のような酷い便秘ではなかったのですが、現在は下剤なしで排便は難しくなりました。同じ量の下剤でも体調や食事の内容で便秘したり便失禁したりします。先週は1日3回の便失禁があり、この時は凹みました。便失禁の場合、汚れた衣服は洗わないで捨てることも多いので、パジャマの上だけがたくさん残ることになります。またズボンも安い物をたくさん買ってあります。排尿のコントロールは上手く行くことも多いですが、訪問医と相談しても排便のコントロールは難しいです。
●意味不明の言葉が多いですが、嬉しそうに話しかけています
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ショートもデイもない朝

何も予定のない朝はゆっくりです。起床は10時でしたが、途中で2度ほど目を覚ましましたので声かけをし寝てもらいました。途中でトイレ誘導をしなかったので限度を超えたパットは気持ち悪かったと思います。朝のトイレはポータブルで済ませ、すぐに着替えをして車椅子に乗せてました。リビングに移動して冷たい紅茶を飲んでもらいました。とても良い笑顔になりました。もちろん朝から怒っている時もあります。強力な加湿器を使っていますが寝室は乾燥しています。
●朝食:もう少し軽いと介助も楽なのですが(身長158cm、53kg)
 紅茶、バナナ1本(中)、キュイフルーツ1個、ヤクルト1本、ヨーグルト1個(78g)、トースト1/2
●薬:デパケンシロップ(5%)4cc けいれん発作の予防
(※若年性ADにはよくみられる症状で、2期の終わりから3期の初めに多いといわれています。昔から若年性ADを診られている医師は解っていたのですが、若年性ADをあまり診られない医師には今でも知らないかもしれません。)
家事をしなくなって7年ほど経ったので手はきれいになりました。今日は嫌がる爪切りと顔そりをします。
介護ベッドの脇にポータブルトイレがあります。ポータブルトイレ用消臭液を使いマメに替えれば臭いもほとんどないと思います。汚れたパット等にはBOSを使用していますが、優れた消臭袋と思います。
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前頭側頭葉変性症における食行動異常—4

4)立ち去り行動
食事の最中であっても席を立ってしまう。または、立ち去ってしまう場合、食べている前を誰かがと通った、音が聞こえたなど、被影響性の亢進のためと考えられる。席を立っただけの場合なら視覚的に注意を促すと立ち去らずに席に着くことがある。行動を制止したり、言葉や態度で強引に誘導すると理解ができず、拒否や暴力、立ち去り行動を助長する場合もある。
どうしても立ち去り行動があり、行動を変容できない場合は、時間に合わせた食事ではなく、本人の行動に合わせた食事ができるように環境を整えることが必要である。
5)盗食
反社会行動としてとらえられるが、常に歩く、動くという常同行動により、カロリーを多く消費しているため空腹や喉の乾きがあり、その結果、盗食いう行動を起こす場合もある。カロリーだけでなく、間食、飲水を提供していくことが必要な場合もある。
在宅の場合は、短期入院やデイケアを利用して環境を大きく変化させる。そこで適切な行動に変容させ、それをルーティン化していくことを試してみる。病院や施設で、食事の時間に他の人の食事を食べてしまう場合は、1人で食事ができるように個別での環境調整を行う。
6)異食
口唇傾向の亢進により何でも口にしてしまう場合や、食物に関する意味記憶障害の影響など様々な要因が考えられる。生活するということは、いろいろなものに囲まれているということであり、周囲の物をなくしてしまうわけにもいかず、そのすべてに鍵をかけて管理するわけにもいかないため、最もむずかしい対応が求められる。
まずは、飲み込むことなく口腔内に含んだままの例もあるので、口に入れたあと飲み込んでしまう傾向があるのか否かを見極める必要がある。食べものでない物を口にする場合や、たとえば生肉など調理しないと食べられない物を食べたりすることがある。なにが対象になりやすくなっているかを評価し、そのうえで環境調整を行う。口に入れそうな物品を患者の目にはいらないようにしたり、患者本人と行動をともにし、そのつど興味の対象を変えるなどの異食が生じるリスクを軽減する方法が考えられる。

FTLDにおける食行動異常の神経基盤はいまだ明らかではないが、多数例における画像解析を用いた報告では、カロリーの摂取量と脳の萎縮部位戸の関連性ではbvFTDとSDでは異なっている。
※「2016 Vol.27老年精神医学雑誌」引用しています

前頭側頭葉変性症における食行動異常—3(続く)

食欲の増加は早期に見られやすいとされている。体重は増加する例もあるが、散歩が常同的に行われている場合はぞうかしないことも少なくない。
嗜好の変化としてはチョコレートやジュースなど甘いものを毎日多量に食べる場合もしばしば見られる。また濃い味付けのものを好むといった変化で現れることもある。同じ食べものを自身で毎日買い、家には食べきれないほど貯まってしまうこともある。
食習慣の変化としては、十分に咀嚼せずに嚥下するため食事速度が速くなるといった行動で現れる。決まった小品目の食品や料理に固執したり、食事時間にこだわるといった常同的な食行動も出現しやすい。
食事の最中であっても、その場から立ち去ってしまう行動(立ち去り行動)や盗食も特徴的な症状である。
●治療とケアについて
1 薬物治療
治療は、疾患の行動特性を理解しながら患者個々に対処することが必要である。非薬物療法を主体として補助的に薬物投与を行う。食行動異常に対する薬物療法は確立していないが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や、それに類似するトラゾドン塩酸塩がFTDの常道行動や食行動異常に有効であったという報告がある。
2 非薬物療法(ケア)
1)食欲の増加・嗜好の変化
チョコレートやジュースなどの甘いものを多量に食べるといった固執傾向や常同化は、比較的よくみられる病態である。同じものばかり食べている様子がうかがえる場合は、1回に食べる量を減らす、カロリーの少ないものに変更することを考える。一度にすべて変えていくことは困難であるため、1日のうち何回かは量を減らす、カロリーを抑えたものに替えるなど、その変更の回数を少しずつ増やしていくようにして根気よく継続する。
2)食習慣の変化
お椀や皿を持ち、掻き込むようにして食べるため、食事速度が速くなる。どんな味のおかずでもご飯の上に乗せ、一緒にして混ぜて食べるといった行動が見られる場合は、お椀やお皿を小さくして、掻き込む量を減らす、混ぜることがないように1品ずつ提供するなど、提供の仕方を工夫していくことが重要である。また、1品ずつ提供するタイミングも重要で、可能であれば決まった人が提供するような工夫も必要である。
3)常同行動
決まった席に座る場合は、あらかじめその席に他の人が座ることのないようにしておく。
決まった品目(例えば、うなぎ、卵焼き)しか食べないような場合、卵焼きの中に少しずつ具材をまぜていく、いつものうなぎの横に刻んだうなぎを置いてみるなど、一度に変えていくのではなく、少しずつ根気よく繰り返す。
4)立ち去り行動
・・・・・・・・・・・・・・・・・
続く
※「2016 Vol.27老年精神医学雑誌」引用しています

2016年から2017年へ

今年もよろしくお願いします
1月4日から認知症対応型デイサービスの利用が始まりました。
車椅子生活になって3年経過しました。それ以前から全面介助の段階で衣服の着脱、洗面、入浴、排泄、食事などは必ず介助者が必要でした。私はヘルパー2級や実務者研修で身体介助を学んでいますが、それ以上に日々の生活の中で失敗しながらの体験が一番勉強になっています。優子さんは40代でアルツハイマー病を発症し、仕事やボランティア活動を奪われました。またごくありふれた楽しみも初期の頃からも本人自身では難しくなりました。進行するにつれて世の中とは疎遠になり、世の中への興味も失いました。私たちは前に進むために迷いながらも様々なことを日々選択しています。優子さんは進むべき未来を自ら選択すことができません。どこに向かって進んでよいかも分かりません。これからは私の伴走者(水先案内人)としての能力が重要になります。
2017年は訪問医、訪問歯科、ショート・デイの施設、ケアマネ、福祉用具などの方々と昨年以上に連携を密にして優子さんと私の無意味な負担は軽減したい。
※1月4日は寒い朝です。デイの迎えを待っています。
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前頭側頭葉変性症における食行動異常ー2(続く)

図1は食行動評価尺度を用いて、bvFTDおよびSDに現れた食行動異常の頻度をADと比較したものである。食行動評価尺度は、FTLDの食行動異常を評価するために開発された。嚥下、食欲、嗜好、食習慣、他の食行動の5つ領域の計37の質問からなる尺度である。図に示すように食行動異常の出現頻度は、ADに比較するとbvFTDとSDにおいて明らかに高く、食欲の変化、嗜好の変化、食習慣の変化はFTLDに特徴的な症状といえる。そのうち食欲の変化はbvFTDで突出して高い。SDにおいても頻度の高い症状である。bvFTDとSDでは症状プロフィールがやや異なり、bvFTDでは過食と暴食が多かったのに対して、SDでは食物への執心が多いという報告がある。

●食行動評価尺度の質問表一例
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関連行動
最近1ヶ月以内の患者さんの様子について1から7まで頻度と重症度の数字それぞれに○をつけてください。
  頻度  重症度
01234 123

1 食べ物で口をあふれるほど一杯にする傾向がありますか?        
2 食べようとしないで、物(たとえば、鉛筆)をかんだり、吸ったりしていることがありますか?
3 食べ物ではない物や、一般的には食べない物を食べたことがありますか? 
4 手の届く範囲にある食べ物をひったくったり、つかむ傾向がありますか? 
5 以前よりタバコを吸う本数が増えたり、再び吸い始めたりしましたか?  
6 自然に嘔吐をしたことがありますか?                 
7 自分の口の中に指を入れて嘔吐をしたことがありますか?
   
上記いずれかに該当する場合は、その症状はいつ頃から始まりましたか?(            )


頻度:
0 ない
1 たまにー週に1回より少ない
2 ときどきー週に1回程度
3 しばしばー週に何度もあったが、毎日ではない
4 非常にしばしばー毎日1回以上あるいは、常に
重症度:
1 軽度ー変化はあるが、容易に修正可能であり、負担ではない
2 中等度ー変化は容易には思いとどまらせることができず、介護者にとっていくらかの困難を伴う変化である。
3 重度ー思いとどまらせることが困難な明らかな変化があり、言い争いやとまどいを生じている。


図1 前頭側頭葉変性症における食行動異常の頻度
 (アルツハイマー病との比較)
bvFTD食異常01
※「精神科臨床リュミエール12 前頭側頭型認知症の臨床(責任編集:池田 学)」
※「2016 Vol.27老年精神医学雑誌」2誌より引用しています