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再掲載 意味性認知症の理解とケアを学ぼう!

前頭側頭型認知症のBPSDとその対応
−意味性認知症の理解とその対応について−

愛媛大学前頭側頭型認知症のBPSD対策グループ編
監修:谷向知(愛媛大学大学院医学系研究科老年精神地域包括ケア学教授)
編集:小森憲治郎(財団新居浜病院臨床心理科)

「はじめに」より抜粋
意味性認知症(semantic dementia:SD)は、前頭側頭型認知症の代表的な疾患です。辞書に書かれているようなことばの意味や、よく知っているはずの人の顔など、意味記憶と呼ばれる記憶の一部が選択的に障害されるのが特徴の疾患です。わたしたちの医療機関を受診されたほとんどの方が、他の医療機関においてアルツハイマー病とあやまって診断されていました。医療関係者でもこの認知症の特徴を十分に理解している方は、まだ少ないといえましょう。それほど、見過ごされやすく見誤りやすい特徴をそなえています。前頭側頭型認知症は、適切な治療法がない上に、上記の症状にともなって特徴的な性格変化があらわれ、さらに激しい行動の異常(BPSD)があらわれる場合が多く、BPSDへの対策は急務です。

下記をクリックするとサーバーの中にデータがあります。
FTLDデータ1
SD理解と対応−1pdf
●下記が表紙です。
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SD02.jpg




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過剰診断と過少診断

過剰診断と過少診断
●初期bvFTD(行動障害型前頭側頭型認知症)と精神疾患
 初期のbvFTDはオーバーラップする症状が多く、高齢発症の精神疾患との鑑別が困難なケースが多い。神経学的徴候や記銘力低下などの認知機能症状を伴わない点も、診断困難な要因となっている。
◆FTDを疑われてきた例(N=87)の専門医の診断内訳
1 FTD:27%
2 AD:25%
3 気分障害:9%
4 その他の認知症疾患:13%
5 その他の精神疾患:20%


◆専門医がFTDと診断した例(N=83)の非専門医診断内訳
1 FTD:29%
2 認知症/症状名:30%
3 AD:24%
4 気分障害:10%
5 その他:7%

(※2019 Vol.30 老年精神医学雑誌 特集/新時代「令和」の前頭側頭葉変性症はいずこへ)より引用

前頭側頭葉変性症の理解を深めよう!

前頭側頭葉変性症は指定難病(127)になっていますが、そのホームページに患者数は約12000人と書かれています。認知症全体では少ない認知症ですが若年性認知症に限るとアルツハイマー病についで多い認知症です。12000人の約80%(約10000人)は65歳以前に発症すると言われています。以前の厚労省の調査で若年性認知症は約38000人ですので10000人は高い比率です。
地域で認知症のサポートをされているケアマネや介護職の方々に先入観なしに正しく学んでもらいたい。また、地域で行われている若年性認知症の家族会等に参加して当事者や介護家族からも話を聞いて学んでもらいたい。
病気を正しく知って理解を深めることも偏見をなくすことにつながります。

2010年発行と古い本ですが、いつも手元に置いて疑問があった時に参考にする一冊です。
IMG_1353.jpg

前頭側頭葉変性症あれこれー2

前頭側頭葉変性症(FTLD)は欧米と日本の症例には相違がある。
1 欧米で前頭側頭型認知症(FTD)の頻度が高いのに対して、日本で意味性認知症(SD)の頻度が高い。
2 欧米ではFTLDの30〜50%に家族歴があるのに対して、日本ではほとんどが孤発性である。

●アメリカにはFTDの協会があります
名称はAFTD(The Association for Frontotempporal Degeneration)
下記が専用のHPです
https://www.theaftd.org/
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この旅を1人でする必要はありません・・・
AFTDは、信頼性の高い情報とともに、あらゆる段階であなたと一緒にいます
理解できる他の人からの貴重なリソースとサポート

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(※Googleの翻訳ソフトを使ってトップページのタイトルとサブタイトルを訳しました)
●アメリカの患者数:約60,000人

スクリーン

前頭側頭葉変性症あれこれー1

難病の患者に対する医療等に関する法律
(平成26年5月23日成立/平成27年1月1日施行)
●難病
1 発病の機構が明らかでなく
2 治療方法が確立していない
3 希少な疾病であって
4 長期の療養を必要とするもの
●指定難病(医療費助成の対象)は5、6の2条件が追加
5 患者数が本邦において一定の人数
  (人口の0.1%程度:12万人)に達しないこと
6 客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること

第1次実施分として平成27年1月1日から110疾病に対して、第2次実施分として平成27年7月1日から196疾病に対して、指定難病の医療助成が開始されている。前頭側頭葉変性症(FTLD)は、その中の1疾病として含まれることになった。(※発症年齢65歳以下を対象)
●FTLDの臨床サブタイプのうち指定難病になったのは、
1 行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD)
2 意味性認知症(SD)

※FTLDの患者数
約12,000人:大部分が40歳〜64歳の発症
※診断基準: 行動異常型前頭側頭型認知症
 指定難病の診断基準(難病情報センターHP)は従来の診断基準(1998年ニアリーらが作成)を採用せず、2011年に作成されたbvFTDの国際コンセンサス診断基準(FTDC)をほぼ踏襲している。
※診断基準: 意味性認知症
 指定難病の診断基準(難病情報センターHP)は従来の診断基準(1998年ニアリーらが作成)をほぼ踏襲している。
★難病指定からみたFTLD:池田学氏/難病情報センターHPより参照・引用

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