飲み込みやすくするために(とろみ食)

飲み込みやすくするために
とろみをつけるための食品の特徴や注意点、またとろみ調整食品の世代別特徴や上手な使い方などを紹介
水分を嚥下する際、喉頭蓋が倒れて気道を閉鎖していますが、わずかな隙間ができるため水などのサラサラした液体は気道に入りかけます。ただ、声門や声門前庭が同時に閉鎖したり、わずかな呼気が同時に起きる事で誤嚥を防止しているのです。しかし、このタイミングがずれてしまうと、健常者でも誤嚥してむせやすくなります。液体に粘性をつけると運動性が下がるので、喉頭閉鎖のタイミングがずれても気道に入りにくくなります。
粘性が低いと誤嚥しやすいですが、逆に多すぎるとべたつきが増し、送り込みにくくなるので注意が必要です。
デンプン
デンプンの特徴
とろみとして使われるデンプンには、ジャガイモデンプン(片栗粉)、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)、サツマイモデンプン、くず粉、米粉、小麦粉などがあげられます。それぞれ特徴があり、把握して使用することが大切です。
デンプンの調理上の注意点
1 デンプンは加熱により糊状にかわります。この状態(糊化デンプン)では、消化吸収がとてもよくなります。しかし糊状になったデンプンをそのまま放置しておくと、もとのデンプンに近い状態に戻ります(老化)。
2 穀類のデンプンは油分と共に調理すると粘度が低下します。脂肪の多いものにとろみをつける場合は、分量を多めにする必要があります。
3 酸と共に加熱すると粘度が低下します。酸味の強いものにとろみをつける場合は、まずデンプンと水を一度加熱し、糊状にしたものを加えると粘度の低下を抑えられます。
4 デンプンは糖質に分類され、1g当り4kcalのエネルギーがあります。食事制限をしている方に提供する際には注意しなければなりませんが、とろみをつけるために使用する量では問題になりません。
デンプンの使用例
片栗粉は、きざんだりペーストにした肉や魚介類を固めたり、あんかけやペーストした野菜を固めて型抜きするために使用します。
コーンスターチは、洋食メニューの片栗粉にかわるものです。スープやソースにとろみをつけるとき、肉や魚のペーストのつなぎとして、テリーヌなどに利用します。
とろみ調整食品
【第1世代】デンプン系
もったりとしたとろみがつくのが特徴。
【第2世代】デンプン+グアーガム系
第1世代に比べ少量で強いとろみがつく。
唾液の影響を受けにくく、とろみがつく時間も早い。
【第3世代】キサンタンガム系
べたつきが少ないとろみがつくのが特徴。
素材の味や匂い、色を損なわずにとろみが付けられる。
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※「嚥下食ドットコム」より引用しています

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ユニバーサルデザインフード

介護食品の食べやすさが4区分で分かる!
ユニバーサルデザインフードとは「食べやすさに配慮した商品」のこと。
日本介護食品協議会が認定しており、規格に適合した商品には、ユニバーサルデザインフードのマークと「かたさ」や「粘度」で分類された4つの区分が表示されています。
日常の食事から介護食まで幅広く利用可能で、パッケージに記載された区分を見れば商品を選ぶ際の目安になります。
ユニバーサルデザインフードは「食べやすさ」を規格にしているので、味付けに関しては一般の加工食品と変わりません。
日本介護食品協議会とは、介護食品に関して食べる人の状態に合わせた適切な商品を選べるように規定の制定や商品の認定を行なう業界団体のこと。

「ユニバーサルデザインフード」の商品パッケージ例
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■区分表
区分1(容易にかめる)
かむ力の目安:かたいものや大きいものは、やや食べづらい
飲み込む力の目安:普通に飲み込める

食品の形状の目安:
ご飯・・普通~やわらかい

魚・・焼き魚

卵・・厚焼き玉子
【選び方の目安】
●普通~やわらかめのご飯が食べられる。

●一口では食べきれない程度の大きいものが食べられる。

●食べ物が普通に飲み込める。

区分2(歯ぐきでつぶせる)
かむ力の目安:かたいものや大きいものは、食べづらい

飲み込む力の目安:ものによっては飲み込みづらいことがある

食品の形状の目安:
ご飯・・やわらかい~全かゆ

魚・・煮魚

卵・・だし巻き玉子

【選び方の目安】
●普通〜やわらかめのご飯やおかゆが食べられる。

●大きいものや一口大のものが食べられる。

●食べ物が普通には飲み込みづらい。

区分3(舌でつぶせる)
かむ力の目安:細かくてやわらかければ食べられる

飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらいことがある

食品の形状の目安:
ご飯・・全かゆ

魚・・魚のほぐし煮(とろみあんかけ)

卵・・スクランブルエッグ

【選び方の目安】
●おかゆが食べられる。普通?やわらかめのご飯は食べられない。

●大きいものや一口大のものは食べられない。

●みじん切り程度の細かいものが食べられる。

区分4(かまなくてよい)
かむ力の目安:固形物は小さくても食べづらい

飲み込む力の目安:水やお茶が飲み込みづらい

食品の形状の目安:
ご飯・・ペーストかゆ

魚・・白身魚の裏ごし

卵・・やわらかい茶碗蒸し(具なし)

【選び方の目安】
●ご飯やおかゆが食べられない。

●みじん切り程度の細かいものでも食べられない。

「ユニバーサルデザインフード」選び方(区分表)
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※日本介護食品協議会HP他より引用しています



注意が必要な「きざみ食」

リスクが大きいきざみ食
 わが国では、長年にわたって「きざみ食」が高齢者のための食事の代名詞として扱われてきました。
しかしながら近年、嚥下食に関する研究が進むにつれて、食形態ならびに衛生管理の観点から安全上の危険席が指摘されるようになり、嚥下食として使用することは不適切であるとの認識が定着しつつあります。
食形態上の危険性
 咀嚼・嚥下は、口に入れた食べ物が、咽頭・食道を経て胃へ送りこまれるまでの5つの過程(※下記参照)で構成されます。
 ところが「きざみ食」の場合、硬いものと軟らかいものを一律の大きさ(1cm、5mm等)に細かくきざむため、バラバラになりやすく、準備期における口の中で食塊の形成がしにくい食形態といえます。
 そのため、咽頭に残りやすく、飲み込む機能が衰えた高齢者などが、食べ物を気道に入れてしまう誤嚥を引き起こす原因になりかねません。誤嚥は、肺炎など命に関わる症状の引き金にもなることから、とても危険です。
 このように「きざみ食」は本来噛む機能を補完する食形態であり、嚥下食には不向きな食形態であることを理解し、正しく使用することが大切です。
※摂食・嚥下の過程(5期)
先行期(認知期)
 食べもの形、かたさや温度などを判断する
2準備期(咀嚼期)
 食べ物をだ液と混ぜ合わせて飲み込みやすい形状にまとめる(食塊)
3口腔期
 舌の運動によって食塊を咽頭に移動させる
4咽頭期
 食塊をゴックンと飲み込み咽頭から食道に送る
5食道期
 食道のぜん動によって食塊を胃に送る
これらの一連の動きは、一瞬(1秒以内)のうちに起こるものですが、このいずれかの段階もしくは複数の段階で何らかの問題が発生する状態が摂食・嚥下機能障がいです。
※「嚥下食ドットコム」より引用しています



飲み込みにくいもの

■飲み込みにくいもの
嚥下障害の方にとって飲み込みにくい食品の形状と飲み込みにくい理由を紹介。
●パサパサしたもの
パン、ゆで玉子、焼き魚、カステラ、クッキー、ビスケット
これらは口の中の水分を奪ってしまい、口の中や歯にへばりついたり、乾いて喉に詰まりやすいです。
のり、葉もの野菜
これらは薄くひらひらとしており、上あごなど口の中に張り付いてしまい飲み込みにくいです。
●ベタベタしたもの
餅、団子
ベタベタした粘りのあるものは口の中や喉に張り付いてしまいます。たとえ小さく切ったとしても小さな塊どおしが口の中でくっついてしまい、窒息の危険があります。
●固くてまとまりにくいもの
こんにゃく、タコ、イカなど
弾力のあるものは噛み切れず食塊を形成しにくく、細かく切ってもなかなか口の中でもまとまりを作る事ができません。
ごぼう、たけのこなど
繊維質が多く、固いものは噛み砕くのも難しくなります。
寒天
寒天で作ったゼリーは変形しにくく、固いので噛まないと飲み込みにくいものですが、噛むと口の中でバラけてしまいます。
●サラサラの液体
お茶、水、ジュースなど
サラサラした液体や粘度の低い食品は、嚥下反射(※1)が起こる前に気道に入ってしまう可能性があるので危険です。
※「栄養士ウェブ」より引用しています

※1嚥下反射とは、口の中でひとかたまりにした食べ物を、のどから食道まで一気に運ぶ運動を起こす反射のことで、
 摂食・嚥下運動の中でもっとも重要な反射です。